Works
かぞくっち
So kanno + Akihiro Kato + Takemi watanuki
「かぞくっち」は、群ロボットを宿とした生殖する人工生命のプロジェクトです。1つの箱庭空間の中で、リアルな移動式の”家”と、各家内部に生息するデジタル人工生命体「かぞくっち」の家族によって構成されています。「かぞくっち」は、一体一体がNFTに各々の名前や生年月日、家系までが紐づいています。同じ家で生まれたかぞくっちはみな同じ名字とそれぞれの名前を持っています。生態系の情報をブロックチェーンに刻むことにより、デジタルなのに、リセットできない生命を描こうとしています。https://kazokut.ch/
WAN NYAN WARS
Akihiro Kato, Asami Kato
あなたは犬派ですか?猫派ですか?
それぞれ100体ずつ発行された犬と猫のデジタル作品の購入者は、不定期に行われるシーズンと呼ばれる期間に自身の持つNFT(犬か猫)の陣営に寄付することができ、終了までにより多くの寄付金を集めた陣営が勝利します。勝利陣営に寄付していた人は、持っている犬か猫のNFTにそっくりな、NFTに紐づけられたICチップが埋め込まれた、改ざんの難しい物理の作品を受け取ることができます。はたして、作品の価値はどこにあるのでしょうか。https://wan-nyan-wars.art/
MOMENT
NIINOMI, Ayumu Nagamatsu, Ryunosuke Hirai, NEORT, Tart
MOMENTは桜をテーマにした作品で、1000個の花とそれらを合わせた桜の木からなります。花はNFTとして販売され、mintされた花は桜の木に咲いていきます。
この桜の木は、展示が行われる春の間だけ花をつけます。季節を過ぎると花は散り、来年、再来年の春にまた花を咲かせる。時間的・空間的制約に影響されないデジタルデータだからこそ、今、この瞬間にだけ味わえる体験をつくりました。散りゆくからこそ美しい。桜のもつ儚さと美しさになぞらえた作品です。https://moment.neort.io/
Community Statement on “NFT art”
The community statement drafting team
未だ黎明期にある〈NFTアート〉には、私たちの社会を発展させるための可能性と課題が顕在化しています。2021年11月19日に始まった「#NFTアートのステートメント を考え始めてみようという会」を中心に、全4回の議論を経て「〈NFTアート〉への共同ステートメント」を公開するに至りました。
2022年2月20日に公開されたウェブサイトでは、ステートメントに署名するために移転機能がないNFTを発行するなど、新たな署名の形を提案・実装しています。https://nft-art-statement.github.io/
Protocol
NIINOMI
デジタルアートには、特定の事業者やデバイスに依存せず作品が観賞され、広く流通するためのプロトコルが望まれますが、果たしてNFTにはどれだけその可能性があるでしょうか。
本作は、NFT作品の実態でもあるメタデータを鑑賞者から収集し、その構成要素を可視化する作品です。
鑑賞者の参加により、NFTの共通規格《プロトコル》としての可能性を探ります。https://protocol.niinomi.art/
Summer & Summer Moments
Toshi, wildmouse
NFTの普及によって大量のNFTコレクティブルが生まれ、2021年はNFTサマーと呼ばれるムーブメントに発展しました。本作品はそのようなNFTサマーそのものをNFTとして表現したものです。
このNFTは 576個(24x24) のレイヤーで構成されたNFTで、2021年に勃興したNFTコレクティブルを使ってCryptoPunksをモチーフとしたモザイクを作成しています。
鑑賞者はレイヤー単位のNFTを1つずつ取得でき、NFTサマーの瞬間瞬間を個別のNFTとして保有することができます。QRコードからNFTの取得方法を確認してください。https://tart.tokyo/crypto-art/summer
The Ten Thousand
Toshi, wildmouse
NFTアート市場の加熱感が高まる中で、多くの人がNFTを保有するようになりました。私たち自身も多くのNFTを収集・制作・販売するようにもなりました。その過程で、「NFTとは何か?」という問いと日々向き合い続けることになります。その結果生まれたのが“The Ten Thousand”です。
大手プラットフォームに画像が綺麗に表示されればNFTでしょうか?あるいは、外部ツールでERC721と表示されていればNFTでしょうか?
NFTの実態にふれることで、NFTの輪郭を捉えることができるようになります。https://tart.tokyo/crypto-art/the-ten-thousand
OpenTransfer
Toshi, wildmouse
あるアート作品を購入したとき、あなたはいつその作品を所有したと感じますか?
そして、その作品を所有している感覚と、NFTアートを購入した時の感覚とではどのような違いがありますか?
多くのNFTでは、そのNFTに紐づくウォレットしかNFTのTransferができないようになっています。あるいは、そのウォレットから許諾された第三者のみにTranferが許されています。このようにして、NFTの“所有”は技術的に実現されています。
一方で本作品には“OpenTransfer”という概念を組み込んでいます。OpenTransferは誰でも指定のNFTのTransferが可能です。誰でもです。NFTの世界では絶対にあり得ないことですが、現実世界のものと持ち主の関係が見えればそれが普通のことだと理解できるはずです。
あなたはこの誰でもTransfer可能なNFTを”所有”していると言えますか?https://tart.tokyo/crypto-art/opentransfer
民主的工藝
HUMAN AWESOME ERROR
日常の生活道具だった民藝の器は100年後、骨董として庶民が気軽に買える価格からは遠ざかりました。
私たちは、骨董や古美術の世界では禁則となる作為を加え、器にチップを埋め込み、金銭的な価値を解体すると同時に、器の情報をNFTとして記録しました。
一方、現代の100円ショップで購入した器にも同様の作為を加え、NFTによって大量生産品に唯一性を与えました。
刻まれた情報とモノと人間の関係において、NFTが感情にどのような変化をもたらすのかを私たちは観察していきます。
ハンドアウト:NFTに関する論考『Discourse NFT Networks』, NFT Oriented GenArt
hasaqui, Ayumu Nagamatsu
Blockchain技術とCryptoカルチャーに端を発するNFTアートは、同時にインターネットの歴史と、現代アート、メディアアート の文脈が交叉する結節点(X)として捉えることもできます。本テキストではNFTアートを巡る今日の状況を概観し、そのメディウムの特性を捉えるとともに、それらの文脈が交差する中において、本展の展示作品及びNFTアートがどのような可能性に拓かれ得るのか考察します。
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